STORY, 第一章人生は足し算
1-13 偉大なる死③ 寺田啓佐様からの遺言
2012年4月18日に永眠された師と仰ぐ存在。
過去に自分の師だと仰げる存在として初めてかも知れない・・
計り知れない損失
寺田本家23代目当主の寺田啓佐様
日本の酒蔵の中で掟破り、常識破りの酒造り
蔵に住む微生物の働きによってお酒造り
決して常識破り、掟破りではなく
本来の酒造りに戻しただけ・・・
本来の百薬の長に戻した功績は真似できない
しかし
現代の酒造りはコスト重視や現在の法律や
間違った常識や情報の時代・・・
三増酒、殺菌、添加物、人工の菌
二日酔いが残るお酒
人間の都合によって歪められた酒造りの弊害が
お酒離れへと繋がった・・・
行政、保健所の基準、大量生産でいつの間にやら
時間をかけて自然に発酵することより
効率を重視、製造側の都合で人に優しくないお酒に変貌・・・
寺田本家のお酒はまさに「百薬の長」
蔵人の歌による発酵促進効果
炭を20トン敷き詰め、
発酵場を確立しイヤシロチを作り上げた
本当のお酒とはコレだ!!
難解な玄米を使ったお酒「むすひ」むすびと読むは、
麹菌を食い込ますために手間をかけている・・・
そんな
本来は酒蔵は、お神酒とし神様に奉納するもの
人間のかってで書き換えた効率優先の代償は大きい・・・
で
その遺言とは?
私の個人的なことで申し訳ないのですが・・・
寺田啓佐当主は「常に発酵しちゃえばいいんだよ!」
微生物の働きは調和なんだ・・
悪玉菌も発酵に必要なんだよ
常に微生物の凄さを伝えていました。
2011年に起こった3,11の大震災
甚大な被害が深刻化する放射性物質に関すること。
それは
2012年の年始のご挨拶に残されている
確認すると
私は、思わず
「あ~コレだ!!!」
「コレは、我々に残された寺田啓佐様からの遺言だ!!」
そう直感しました。
自然に逆らいながら人間だけが困らないように、
人間の都合で勝手にやらかした事に今しっぺ返しが
起きている。
放射能問題もそのひとつだ。
でも「発酵」で解決できそうだ。
チェルノブイリでも実証済みだが微生物の働きは
放射性物質をも自然物質に変えてしまう。
福島県と宮城県の県境の山あいの峠で発酵液を散布したが、
周りの汚染数値は確実に軽減している。
今こそ微生物の声に耳を傾けたらと思う・・・。
微生物が教えてくれた。
「自然に沿ったらうまくいくよ」って。
私達は、真摯に受け止め
未来ある日本にしなくてはいけない
子供達から借りたこの地球を再生しなくてはいけない。
私は、これが遺言だと信じている。
酒造りで欠かせない蔵の天然微生物たち
「麹菌」「酵母菌」「乳酸菌」「光合成細菌」など善玉発酵菌群がカギである。
手間と労力を惜しまずに造る酒
作り手の愛によって菌も共鳴し調和して発酵する。
偉大なる師の死は自分にとって大きい
でも不思議と寂しさは一切ない・・・